院試数学対策(外部大学院受験生必見!)
こんにちは。
今回は理系大学院の受験を考えている人向けに、院試対策の具体的な勉強法を紹介していきたいと思います。
「院試対策って何からすればいいのか分からない」
と思いますよね!自分も去年のこの時期はこんな感じで路頭に迷ってました。
そこで、同じ大学院を受験する知り合いに尋ねたところ
「数学から勉強した方がいいかもね!」
と言われました。いま考えれば、数学から勉強しておいてよかったと思います。
なぜなら、理系の専門科目ってほとんど大学数学を身に着けている前提で話が進んでいくので、まず数学をやっておかないと専門科目の問題とか見ても何が何だかさっぱり分からない状況に陥ります。
例えば、流体力学は、ガウス定理などのベクトル解析の理論を理解していないと、流体の運動量保存則とかナビエストークス方程式を眺めてても、意味わかんない記号の集団に見えてしまいます。なのでまず数学から勉強しましょう!
院試数学の単元と進め方
大学で学ぶ数学の単元は主に以下の7つです。
えっこんなにあったっけ?って感じになりますが、実際、数学の勉強が一番大変でした。学部の1、2年で多くの人が学んでいるはずなんですけど、よほどの勉強家ではない限りほとんどの内容忘れてるじゃないですか。
なので、私の場合は以上の七つの単元をゼロから勉強する羽目になりました(笑)
結論から言うと、一か月間、毎日数学を勉強し続けてやっと、全単元を理解できるようになりました。かなりタフでしたね!
全単元を同時並行で勉強するのもいいんですが、僕は上の順番で勉強することをお勧めします。線形代数がある程度理解できるようになったら、次の微分方程式を勉強するといったように進めていくのが良いと思います。
ここで注意してほしいのは、各単元を完璧に理解しようとしないことです。
もし、線形代数を長時間かけて完璧に理解したとしても、フーリエ変換を勉強するころにはとっくに行列のこと忘れかけてます(笑)
これは短期決戦組にはかなり効率が悪い勉強法となってしまいますので、各単元の参考書や問題をざっと見たり解いたりして、分からないことがあっても飛ばして次に進みましょう!違う単元を勉強することで以前分からなかったことが、ちゃんと理解できるようになった経験が結構ありましたので、ご心配なく!
各単元別オススメ参考書・問題集
それではわたしが実際につかっていた参考書や問題集を紹介します。どれもホント良質な本なので、著作者さんに感謝文を送りたいレベルです笑
参考程度に、学習日数も記載しておきました。僕は毎日7時間ほど机に向かい、全単元を網羅するのに1ヶ月ちょっと費やしました。
・高校数学の復習(2日)
高校数学さえも怪しいという方には、まずはこの一冊から始めましょう!
|
マセマの数学シリーズは院試対策の定番とも言われており、問題の解説等が詳細に分かりやすく書かれているので、パーッと読むだけでも微積の基礎をしっかり理解できると思います。2日あれば読破できます。
・線形代数(5日)
|
個人的には線形代数が一番理解しにくい単元だと思います。問題を解くのは比較的簡単なんですが、概念的な部分をしっかり理解するのは難しいです。
例えば、ある大学教授が、「ある行列の固有値と固有ベクトルの求め方はわかると思うけど、固有値ってそもそも何?」って院試の面接で学生に質問したら、ほとんどの理工系の学生がちゃんと答えることができなかったっていう話は有名です。
しかしこの本は、行列の考え方や線形写像等の文字だけでは理解しにくいところを多くのイラストを交えて、懇切丁寧に解説してくれているので、題名の通りこの一冊から線形代数を勉強してみましょう!
・微分方程式(1週間)
|
微分方程式は必ずといってもいいほど、院試数学で出題されます。さらに、工学系の科目でも必須単元です。この本は、微分方程式の解の導出法が詳しく記載されており、例題や演習問題も充実しているので、効率的に微分方程式を使う問題を習得することができます。
・複素解析(5日)
|
複素解析は、定理等を理解するまで少し努力が必要ですが、理解してしまえばサクサク問題が解けるようになります。これは、分かりやすい文章やイラストで複素解析の概念や定理を説明してくれており、豊富な例題と合わせて勉強を進めることで、この一冊を終えた頃には、院試の複素数の問題も解けるようになります。是非この本を購入することをオススメします!
・ベクトル解析(5日)
|
ベクトル解析は流体力学や力学などでも頻繁に使われます。院試数学において単体で出題されることは少ないですが、これも概念的なところが多く、理解するのが難しい分野なので、この本でベクトル、テンソルの本質的な部分を理解しておいたほうが良いでしょう。
・フーリエ解析(1週間)
|
さあ、最後に一番重たい単元が待っています、それがフーリエ解析です。
フーリエ解析に関しては、マセマの力を借りましょう!この本はフーリエ級数展開、フーリエ変換について詳しすぎる程解説しており、院試では問われないであろう箇所も詳細に分かりやすく説明してくれています。これがマセマシリーズの良いところでもあり、悪いところでもあります。
短期決戦で院試に臨む方は、いったん院試の過去問も見て本番で出そうなところだけ勉強しましょう。しかし、ここまでフーリエ解析について丁寧に書かれている参考書・問題集はこれ以外に見当たらなかったので、ぜひこれで勉強しましょう!
・院試数学問題集
とりあえず全部の単元を勉強することができたら、この本に取りかかることをオススメします。
|
この黄色の本には、国公立大学や早慶の理工系の院試に実際に出題された問題が多数収録されています。これまでの参考書にのっている演習問題はあくまでも理解を助けるための問題なので、この本を通して院試数学の特徴を把握し、応用問題に慣れていきましょう。たまに数学科で出題された意味不明な問題もあるので、理工系の人は臨機応変に飛ばして問題を解いていった方が良いと思います。
そして、解いて間違えたところは問題にチェックして、分かるようになるまで何回も解きましょう。ここで、重要なのが本に書いてある解答解説を丸暗記しないことです。
一回目に分からなかった部分を解説を見て把握して、その類題とか似たような問題に取り組んだあとに二回目に取りかかりましょう!そうすることで、その問題に対して自然と理解が深まり、暗記しなくて済むようになります。
一方、ラプラス変換と確率については、この本に収録されてる問題を解いとけば大丈夫だと思うので、別に参考書を買う必要はないです。けど、僕は確率や統計の分野が苦手だったので、以下のブルーバックスの本を読みました。
|
統計解析の分野が嫌いだったのは学部1年のときに受けた数理統計学の授業が意味分かんなくてちょっとしたトラウマだったからです笑
けど、この本はほんと分かりやすくて、自分を統計が好きな人間にしてくれた本だと思います。実際、私は卒論で統計解析を用いたテーマを扱い、大学院では機械学習やベイズ推論を用いた研究を行う予定です。
以上、院試数学対策の進め方とオススメの参考書・問題集を紹介しました。
大学数学を一気に勉強するのはだいぶタフですが、大学受験みたいに意地悪な問題とかはほぼないので、勉強してるうちに楽しく感じてくるかなーと思います。
もうすぐ4月なので、外部受験の人はそろそろ勉強していかないとですね!これから院試本番までは長い道のりですが、休憩しつつ頑張ってください!
あと、TOEIC受験もお忘れなく!
次回は、材料力学について勉強法を紹介したいとおもいます。